どーも!富山のスケボーショップHi5の稲垣です。

こないだマジメな顔して、マジメな本を読んでいたら、すごく良いことが書いてあって、これは、今のスケボー界にも通ずる話じゃないのか?なんてマジメなことを考えたので、それについて書きまーす。

アイススケートの荒川静香さんにまつわる話で、サクッと簡単にお伝えすると、↓こういう話です。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

荒川静香さんは、必殺のイナバウアーで、大会で圧勝していました。なんといってもイナバウアーは、めちゃくちゃ優雅で素敵ですから。

それを面白くないと思った人達が、アイススケートのルールを変えちゃいます。表現力よりも、技術力を重視したルールに変えました。すると、荒川静香さんのイナバウアーでは、勝ちにくいルールになっちゃった。

そこで、荒川静香さんは、コーチを変えて、技術力で勝てるスケーティングにスタイルを変えた。

そしたら、あんまり大会で勝てなくなっちゃって、荒川静香さん自身も迷いが生まれてきた。

そんな時に、ファンの人から、「荒川さんには、優雅に舞って欲しい」っていう手紙をもらって、荒川静香さんは、本来の表現を中心としたスタイルに戻します。

トリノオリンピックでは、ほとんどの選手は、失敗できないというプレッシャーに押しつぶされてミスを連発。

自分のスタイルを貫き、優雅に滑り抜いた荒川静香さんは、金メダルを獲得!!

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

というお話。

荒川静香さんは、自分のスタイルを貫くことができたから良かったけど、ほとんどの人は、自分のスタイルを見失ってしまった。アイススケート本来の魅力である「優雅さ」が、ルールの改正によって失われていく結果になってしまった。

これ、オリンピックに向かっているスケートボードと同じような感じがするんですよね。

これまでのスケートボードの大会って、ポイントはあるにはあったけど、どちらかというと、観客を沸かせたヤツが優勝っていう感じだったんですよね。それで誰もあんまり文句言わないというか。もしかしたら、「俺のほうがトリック沢山決めたのに・・・」っていう人もいたかもしれないけど、「でもスケボーってそういうもんだし」っていう暗黙の了解があったと思う。

だけど、オリンピック競技になるということで、沸かせるとかスタイルとかよりも、ポイントが重要視されるのは、間違いないと思います。

スケーターだけが集まるこれまでのコンテストだったら、スタイルや沸かせ具合やヤバさっていうのを、観客やジャッジの人達が共有できた。

だけど、オリンピックっていう色んな人達が見る大会では、よく分からない採点基準で優劣を決めると、色々と大変なことが起きます。

なにせ、みんな国を背負ってやってきているので、納得いかないことが起きると「そんなもんですかねえ」とはいかないはず。オリンピックに出るまでの努力や苦労もあるだろうし、自分が積み重ねたポイントが、観客やジャッジの好き嫌いでムダにされるとなると、誰でも腹が立ちます。

ということで、これからはスケボーの大会でも明確なポイントが示されていくと思います。

オーリーは、10点。キックフリップは、12点。360フリップは、18点。みたいな感じ。

バックサイドなら、2倍ね。とか。グラインドは、1メートル10点とか?

書いてて思ったんですけど、非常にくだらねぇですね。

このポイントの取り合いのためにスケーターが練習するようになると、カッコイイスケーターやスタイルがあるスケーターがいなくなってしまいます。

カッコイイスケーターやスタイルがあるスケーターって、トリックの数が多いとか、トリックが高いとか、そういうことじゃないんですよね。

例えば、トム・ペニーとか、

ジーノ・イアヌッチとか、

ウェイド・デサルモとか、

なんかもう優雅だし、洗練されているし、これがスタイルってやつですし。

いかにポイントを取り合うかっていうのを目指してスケボーをすると、こんな感じにはならないんですよね。

ポイントを目指すとなると、もっと効率よくデッキを動かし、短時間でトリックをマスターして、筋トレをして、科学的にトリックをメイクし、デッキやパーツにも改良を重ねて、最短で最高得点を目指す。みたいなことになっていきます。

オリンピックをきっかけに広がっていくスケートボードというのは、きっと技術と得点を中心としたスケートボードだと思う。

ルールと得点を定めることで、それを定めた人達がスケーターを評価して、道を作れるようになります。で、スケーター達は、その道を素直に歩いてくれる。道の回りには、新しい経済も生まれて、メデタシメデタシ。

そのうち、「スケートボードで健康に!」とか、「スケートボードは、子供の健康な発育にピッタリ!」とか言い始めたりするんだろうなぁ。

これから、スケートボードは、スポーツ店が取り扱うものになっていくと思うけど、僕のお店は、スポーツ店にならないように、得点でスケーターを評価しないように、ルールでスケーターを縛らないようにしていきたいと、そんな風に思っております。

今日は以上です。晴れてるからスケボーしたいけど、膝もいたいし、お店にいます。